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GoogleがPics発表、プロンプトで作るAIデザインツール

Googleが画像作成・編集ツール「Pics」を発表。レイヤーではなく文章の指示でデザインを操作でき、まずDocsとスライドに導入される。

nullbot 編集部公開日 2026年9月2日約 4 分で読めます出典 (2)
デュアルモニターの前で作業するグラフィックデザイナー
Ngwedi Mokgoro · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

Googleは2026年9月1日、GeminiとGoogle独自の画像生成モデルNano Bananaを活用した新しい画像作成・編集アプリ「Pics」を発表した。ミームや個人の写真向けに作られたGeminiアプリとは異なり、Picsは業務利用を明確に狙っている。PhotoshopやCanvaのようにレイヤーを操作する代わりに、文章による指示だけでデザイン全体をコントロールできる点が特徴だ。Google公式ブログと専門メディアHipertextualによると、このツールは単体アプリとしても、Googleドキュメントやスライドに直接組み込んでも使用でき、Driveへの対応も数週間以内に追加される予定だという。

Googleが掲げる狙いは、マーケティングや広報チームが抱えがちな課題を解決することだ。デザイナーに頼らずに、同じキャンペーン用に一貫性のある複数の画像を作りたいというニーズである。TechCrunchによると、PicsはNano Bananaを基盤としており、数週間以内にほとんどのGoogle Workspace顧客、そしてGoogle AI ProおよびUltraの契約者に向けて展開される。利用対象はBusiness Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plusの各アカウントにも及び、これによりこのツールは、現在CanvaとAdobe Expressが優位に立つ企業向け市場に直接乗り込む形となる。

オブジェクト分割と画像内テキストの編集機能

注目される機能の一つは、構図内の特定のオブジェクトだけを切り離し、他の部分に影響を与えずに変更できる分割技術で、これまでは専門的な編集ソフトが必要だった作業だ。また、画像内のテキストを、元のフォントやレイアウトを保ったまま編集・翻訳することもできる。これにより、編集作業を行うパソコンに正確なフォントがインストールされていないという、よくある問題を回避できる。HipertextualとTechCrunchの報道によれば、同じプロンプトから複数のバージョンを生成して最適なものを選んだり、画像を2Kや4Kに拡大したり、ウェブ、SNS、印刷、デジタルコンテンツ向けの各種フォーマットに合わせて切り抜いたりすることもできるという。

  • GoogleのNano Bananaモデルによる画像生成・編集
  • 他の部分に影響を与えずに一つの要素だけを変更できるオブジェクト分割
  • 元のフォントを保ったまま行える画像内テキストの編集・翻訳
  • 2K/4Kへの拡大とウェブ・SNS・印刷向けフォーマットへの切り抜き
  • リアルタイムでの共同編集と、プロンプトごとの複数バージョン生成

CanvaとAdobeへの正面挑戦、ただし違いもある

今回の発表により、Googleは世界中の中小企業やコンテンツクリエイター、マーケティングチームに広く使われているデザインプラットフォーム、CanvaとAdobe Expressと直接競合することになる。ただしTechCrunchは根本的な違いを指摘している。Canvaでは、イラストレーターや写真家、デザイナーがマーケットプレイスにテンプレートや素材を公開し、その利用に対してロイヤリティを受け取ることができる。一方Google Picsは、アーティストの作品で学習されたモデルからコンテンツを生成する仕組みであり、クリエイターへのそうした報酬の仕組みは存在しない。また、クリエイターがゼロから独自の作品を作るために使うAdobe Expressとも異なり、Picsは白紙の状態からデザインするのではなく、プロンプトをもとに生成することを前提に作られている。

Googleは、プロフェッショナルな見た目の結果を得るのにグラフィックデザインの専門知識は不要であり、チームの誰もが外部ツールに頼らずポスターやSNS投稿、プレゼン資料を作成できるとしている。しかしHipertextualはこの主張に留保を付けている。最低限のデザインの勘がなければ、生成結果はPowerPointのテンプレートのように没個性的になりかねず、Picsは技術的なハードルを下げるものの、デザイナーの目を完全に代替するわけではないことを示唆している。

日本の中小企業やクリエイターにとって何が変わるのか

現在Canva ProやAdobe Expressの契約料を支払ってマーケティング用の画像を制作している日本の中小企業や代理店、フリーランスのクリエイターにとって、Google WorkspaceへのPics導入は損得勘定を変える可能性がある。すでにドキュメントやスライド、ビジネス版Gmailを契約しているチームなら、別のツールを追加契約したり、簡単な作業のためにフリーランスのデザイナーに依頼したりせずに、画像を生成できるようになるかもしれない。ただし現時点での利用条件は、有料のGoogle AIプランか、より高額なWorkspaceアカウントに限られているため、小規模事業者はクリエイティブの制作フローを切り替える前に、現在Canvaに支払っている費用と実際のコストを比較検討する必要がある。

出典

  1. Google Pics: así es la nueva IA de Google que reta a CanvaHipertextual · 2026年9月1日
  2. Google's answer to Canva is an AI tool where you prompt instead of designTechCrunch · 2026年9月1日

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